【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
少し間を置いて答えられた言葉は、どこ
か頼りなくて、触れようと手を伸ばせば
、壊れてしまいそうで。
それ以上深くのめりこむのは、なんだか
憚られた。
「……柏木を好きになって良かった。柏
木と付き合えて、すごく幸せだ……」
「東野……君?」
待ってよ。
なに、それ。なんでそんなお別れみたい
な風に言ってくるの?
ねえ、どうしてこっち見ないの―――
「……帰ろっか」
そう言いながら立ち上がった東野君の手
はポケットに入れられて。
なんだかいつもよりも、東野君との距離
が遠くなった気がした。
◆◇◆