【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
私が棗にしでかした罪と、東野君にしで
かした罪を上から塗りつぶして。
お願いだから―――
「……ダメだよ、柏木」
だけど聞こえてきたのは、優しい拒絶。
思わず顔をあげると、東野君は泣きそう
な顔で笑っていた。
「急にそんな風に言うなんて、なんかあ
ったんだろ、杉本と」
「違っ……!」
「ちがくないだろ。じゃあなんで泣いて
るんだよ」
「―――っ」
図星をさされて何も言えない私を、東野
君は切なそうに見下ろす。
「―――自分の気持ちに、気付いた?」
「……え…」