【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★




「俺はずっと知ってたよ。柏木がずっと
忘れられてないこと。柏木が自分の気持
ちから逃げてきたこと。


―――だけどゴメンね。俺はズルいから
、柏木に教えてあげられなかった」


「東野君……」


「後悔したって、知らないよ?」



―――今度は別の意味で、涙が溢れる。



この人は一体、どれだけ傷ついて来たん
だろう。



ずっと私よりも痛くて、泣きたくて。



「俺からは別れないって、言ったよね」



だけどそれでも、彼はこんなに優しい。



東野君の指先が、スルッと私の頬を撫で
上げる。



それから、私の目元を拭った。



「……好きだよ、柏木。ずっと好きだっ
た。だからこそ俺は、柏木には幸せにな
って欲しいんだよ」





< 379 / 445 >

この作品をシェア

pagetop