【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「俺はずっと知ってたよ。柏木がずっと
忘れられてないこと。柏木が自分の気持
ちから逃げてきたこと。
―――だけどゴメンね。俺はズルいから
、柏木に教えてあげられなかった」
「東野君……」
「後悔したって、知らないよ?」
―――今度は別の意味で、涙が溢れる。
この人は一体、どれだけ傷ついて来たん
だろう。
ずっと私よりも痛くて、泣きたくて。
「俺からは別れないって、言ったよね」
だけどそれでも、彼はこんなに優しい。
東野君の指先が、スルッと私の頬を撫で
上げる。
それから、私の目元を拭った。
「……好きだよ、柏木。ずっと好きだっ
た。だからこそ俺は、柏木には幸せにな
って欲しいんだよ」