【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
少しだけ微笑んだ東野君に、私も微笑む
。
「バイバイ……東野君」
「ああ……バイバイ、柏木」
もう涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、
下手くそに笑って、私がそう言うと。
東野君はたった一滴〔ひとしずく〕の涙
を流して―――微笑んだ。
「愛してたよ……春」
「ありがとう、千尋!」
そこからはもう振り返らなかった。
ただひたすら、家まで走って―――。
「棗!」
棗の部屋に押し入って、棗にぎゅうっと
抱きついた。
好き…好き、好き!