【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
両手を振ってそう否定しても、棗は取り
持ってくれない。
さっきの不機嫌さが嘘のように生き生き
とした表情と妖しい笑みで、私ににじり
よってくる。
……誰か助けて!
やがてあっという間に棗が目の前まで来
ていて、ぐいっと腰を引き寄せられる。
それから、空いてる方の手で、クイッと
顎を持ち上げられた。
カアッと熱くなっていく身体。
触れられた部分から痺れが走った。
「ちょ……、ここ、学校……っ」
「お前が俺を妬かせるのが悪い。……で
も、あれは本音じゃ無いんだろ?」
澄んだ瞳に覗きこまれて、なにも言えな
くなる。
「本当は、淋しかったろ?俺と同じクラ
スが良かった?俺が嫉妬して、嬉しかっ
た?」
なにその質問……っ。