【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
シレッとしたようにそういう棗に、もう
言葉もなく鯉のように口をパクパクさせ
ていると―――。
「……ちょっとは場所を考えなよ」
そんな呆れたような声が聞こえてきて、
見上げると、呆れた表情の東野君が立っ
ていた。
「と、東野君!」
「あ?んだお前」
驚いて後ずさろうとする私を、そうはさ
せまいというようにぎゅっと抱き締めら
れる。
ちょ……東野君も居るのに!
「……杉本ってさ、独占欲強いよな」
「悪いかよ?」
今にも火花が散りそうな雰囲気に、ソワ
ソワしてしまう。
東野君は、野獣のように睨む棗を、ちょ
っと笑った。