【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
それに気圧されたのか、棗は少し驚いた
ように仰け反って。
そんな棗を、キッと睨み付ける。
「そんなこと言ったら、棗だって!」
「あ゛?」
「棗だって私が東野君と付き合い始めた
時、他の女の子とキスしてたじゃん!私
、何回も見たんだからね!」
そのたび、どれだけ傷付いたのか……。
今でもあのシーンを思い出すと、胸がキ
ュッと締め付けられる。
「……俺だって辛かったんだよ。お前を
忘れたくて必死だった」
唸るようにそう言った棗からは、後悔の
色が滲み出ている。
……責めすぎたかな。
だって私だって、棗が好きだって事実を
忘れたくて東野君と付き合ったんだもん
。