【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
やがて廊下から悠々と顔を出したのは、
相変わらず不機嫌極まりない棗と、終始
笑顔の優希君。
ああそういえば、今日は恥ずかしくて、
棗よりも早く学校に来たから、女の子の
バリケードに出くわさなかったんだ。
美怜も今日は日直だから……。
ていうか、相変わらず騒がしいわね、と
呆れながらその様子を見ていたら、不意
に、棗と目があった。
しかも―――……。
棗は、私に気付くと、フッと僅かに微笑
んで。
でも次の瞬間、何事もなかったように席
についたけど。
そんな笑顔……見せんな、バカ……!
大嫌いなのに、顔が火照って、両手で頬
を包み込む。