【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
侮れないなあ、なんて思いながら、バレ
てしまっては仕方ないので、おずおずと
倉沢さんの元へと歩いていくと、倉沢さ
んはニコニコしながら俺を見ていた。
「逃げてきたの?」
「―――え?」
唐突に投げつけられた言葉の意味がわか
らず、思わず首を傾げた。
首を傾げた俺を、彼女はクスッと笑うと
、少し腰を屈めて、下から俺を覗きこん
だ。
その時の倉沢さんの瞳が、なんだか神秘
的で……吸い込まれそうになる。
まるでブラックホールみたいだった。
「だから、優希君、春ちゃんと杉本君と
お昼食べてたんでしょ?……だけど見て
られなくて逃げてきたの?」
「……っ」
「私、なんとなくそういうの鋭いんだよ
ね!……春ちゃんが好きなんでしょ」
俺を見上げて妖艶に微笑んだ倉沢さんに
、思わず喉が鳴る。