【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「……はぁ?」
「ほら今朝、杉本君、美怜にちょっとだ
け笑ったじゃん?嫌いな女の子に、笑い
かけるかなぁって……」
「……だって、いつも意地悪してくるじ
ゃん!」
そう言った私を、クスッと笑いながら見
つめた美怜。
「あんなの、本当に嫌いな女の子には、
しないって。面と向かって、嫌いって、
言われたことあるの?」
「そんなの―――……」
―――『誰がお前の事を嫌いっつったよ
?』
そんなの当たり前でしょ、と言おうとし
て、詰まらせた言葉を絡みとって逃がさ
ないのはそんな棗の言葉。
思い出すだけで、抱き締められた温もり
を思い出して、恥ずかしい。