【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「し、知らないっ!」
もう投げやるようにしてそう言って、バ
ッと立ち上がると、やっぱり美怜は、ク
スクスと笑っていた。
「……柏木~……」
―――そんな地の底から這うような声が
聞こえてきたのは、5月のある日の事だ
った。
ビクッと身体を震わせて後ろを仰ぎ見る
と、そこに居たのは、数学の教師の、松
本通称まっちゃんだった。
「ま、まっちゃん……」
ニヘラっと笑ってみるけど、まっちゃん
は閻魔大王みたいな悪意のこもった微笑
みを浮かべている。
怖いよ―――っ!!
「いかがなさいました……はは」
「はは、じゃねーんだよ。お前、この前
の小テストなめてんのか?一点も取れね
えの、お前くらいだぞ」