【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
すぐ横に棗が居る。それはわかっていた
けど、棗を見ることは出来なかった。
恥ずかしくて。絶対に赤くなってる顔を
見られたくなかった。
「……お前、本当に勉強してたの?」
「し、てた……っ」
ノートの方に視線を向けて、俯く私の視
界に入る棗の指先。
つつつ、とノートをなぞっていくその指
先が妙にいやらしくて。
そんな風に考えてる自分がもっといやら
しくて、ぎゅっと目を瞑った。
「俺が教えてやるよ」
「え!?」
「だから、この天才的な俺様が、春の空
っぽな脳ミソに、数学を叩き込んでやる
っていってんの」
「……」