【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★




すぐ横に棗が居る。それはわかっていた
けど、棗を見ることは出来なかった。



恥ずかしくて。絶対に赤くなってる顔を
見られたくなかった。



「……お前、本当に勉強してたの?」



「し、てた……っ」



ノートの方に視線を向けて、俯く私の視
界に入る棗の指先。



つつつ、とノートをなぞっていくその指
先が妙にいやらしくて。



そんな風に考えてる自分がもっといやら
しくて、ぎゅっと目を瞑った。



「俺が教えてやるよ」



「え!?」



「だから、この天才的な俺様が、春の空
っぽな脳ミソに、数学を叩き込んでやる
っていってんの」



「……」






< 54 / 445 >

この作品をシェア

pagetop