【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
【棗side】
好き?―――まさか。
そうじゃない。そんな甘ったるい感情じ
ゃない。
ただ、誰にも渡したくないだけだ。
きっと、そう。―――あの日から。
「やったぁ―――っ!!美怜!聞いてよ
!58点だよ!?」
きゃーっと喚きながら、大した点数じゃ
ないのに歓喜に震えるあの女は、俺の姉
でもある。
柏木春。
―――最近の俺のオモチャ。
そんな春を見つめていると、不意に春と
目が合って、俺に満面の笑みでピースを
送ってきた。
……アホか。お前、俺が嫌いなんじゃ、
なかったのかよ。
そう思いながらも、そんな所が面白いの
も確かだった。