【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「は?聞こえてないって。周りの女の黄
色い声がすごいから」
いや、聞こえてるけどな。
俺に色目を使わず、あろうことか邪険に
する女は初めてだった。
少し気になって覗くと、確か、柏木とか
いう女。
見るからに勝ち気で、サバサバしてそう
な女。
顔も悪くない……というよりはむしろ、
美人な方だろう。
少なくとも、俺の周りに群がる化粧まみ
れの奴等よりは全然可愛い。
その夜。
家に帰ると、父さんがリビングで座って
俺を待っていた。
「棗……話があるんだ」
「んだよ。改まって……」
俺はスクールバッグを椅子の背もたれに
掛け、父さんの向かい側に座った。