【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
そう思った時には既に遅く。
―――パンッ
そんな乾いた音と共に、首謀者さんの右
手が勢いよく振り落とされた。
殴られた頬がヒリヒリと痛む。
その瞬間、私の中で何かが切れて―――
気付けば。
―――パンッ
……ソイツを殴り返してた。
首謀者さんは信じられない、というよう
に私を見つめて、赤くなった頬を押さえ
ている。
「なに、驚いた顔してんの?殴られたか
ら殴り返したの。普通でしょ?」
「なっ―――……!あ、あんたがいけな
いのよ!!私達の棗君に手出しするから
っ……」
出たよ。
目に涙浮かべて、自分が一番可哀想なフ
リしてる。