【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
棗となんて―――
「ふざけんな」
しかし。
聞こえてきたのは彼女たちの声じゃなく
て、もっとドスの効いた、低くて、地獄
の底から唸るような声だった。
それと同時に、私の目の前に現れたのは
「な、棗!?」
「棗君!?」
不機嫌そうに顔を歪めて、ポケットに手
を突っ込んだ状態で、私達を見下ろす棗
だった。
棗は私を一瞬睨んでから、彼女たちに向
き直る。
「お前らさぁ……。なんなわけ?俺が誰
と喋ろうが、俺の勝手だろ。それに、お
前のモノになった覚えはねーよ」
「あ、あの……」
「つーか、そういう妄想ヤメロよ。吐き
気がすっから」