痛々しくも生きている
「それで、さっき言った【寮長】の話なんだけど……」



【寮長】

そのワードについ反応してしまう。

だってあのカマ男が寮長の可能性もあるし…さ。



「【寮長】っていうのは3年生だけがなれるんだ。だから俺らの過ごす【種西寮】にも【寮長】はいるぞ。

ちなみに【寮長】ってのは生徒会関連に所属してる奴等しか受け持つことができない」


「…ってことは、」


「そ、あの……【ミナリン】ってやつは風紀委員だって言ってたろ?だから少なからず可能性はあるけど………。

3年生かどうかは分かんねぇからな。
可能性は低い」


「なるほどな……ありがと、きょうちゃん。そんだけ情報がありゃ十分だ」

「おう、そんじゃ俺は部屋で待機して…「何言ってんだ。お前も探すんだよ」……デスヨネー」



ガックリ項垂(うなだ)れるきょうちゃんの首もとを掴んでズルズル引っ張る。


「ちょ、首絞まっ…?!」、なんて声が聞こえたけどスルー。

今離したら逃げるっしょ。

………死んだら死んだで放置な。


そのままの格好で部屋の扉を開き、きょうちゃんの持ってた鍵で閉める。

その際、きょうちゃんが逃げ道をなくしたライオンの餌(ウサギとか)みたいに項垂れてた。

あと目が逝ってたのが面白くて写真撮ったらきょうちゃんに怒られちゃったよ。

メンゴめんご。


きょうちゃんも覚悟を決めたみたいで渋々ながらも協力すると申し出てくれた。感心感心。

ちなみにアタシらは制服姿。

もしかすると後で先生から呼び出されるかもしんないし。(教材配るために集合させられるかも~…みたいな)

それに、制服着替えるのも面倒臭かったからね。(こっちが本音)

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