痛々しくも生きている
思わず顔が引きつるアタシに気づいたのか、きょうちゃんはちょっとションボリして、



「……ごめん。なんか、こんなこと言ったら付き合いにくいよな……」

「………。」



そんな風にショボくれるきょうちゃんに思わずキョトン。



「は……?」

「…俺と今まで一緒にいたやつらさ、俺とつるんでたら周りの奴に『金目的なんだろ』って、影で言われてたから…」

「………。」



ああ、そっか。

そういうことか。



「だから……「いきなり何だよ、って思ったけどさー。きょうちゃん、アンタって臆病なんだな」……え?」



いきなり過ぎるアタシの発言に、今度はきょうちゃんがキョトン。

うっは、間抜け顔。


「ンなやつらの言うことで狼狽えてたんか?アホくせぇ。だからお前、"わざわざ包帯巻いてたんだな"」

「……ッ」

「だってそうだろ?友達を傷つけたくないから、だからアンタは"自分から離れるようにした"。
厨二設定だったら周りも近づこうと思わねぇだろうしな」


「ちが…「違わねぇよ。現にアンタ、さっき泣きそうな顔してたぜ?」…」



なあ、それってさ。

傷つけたくないから。だから離れた。

もう二度と関わらないように仕向けてよ。


……なのに、


「きょうちゃん。アンタが傷ついてどーすんだよ」

「………。」


アンタって奴は、ホントに馬鹿だ。
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