痛々しくも生きている
「うっし、辛気くせぇ話はこんぐらいにして……きょうちゃん、どっから攻めてく?」

「んー…、やっぱこの【種西寮】の寮長さんに尋ねた方が一番手っ取り早いと思うぜ」

「そっか。じゃあさっそく案内してくれ」

「おーけー、馬鹿友のためならこんぐらい何てことねぇさ」

「ははっ、頼もしいな」



さっきより元気が出たきょうちゃんは
さっそく情報提供をしてくれた。

きっと傷はまだ治ってないと思う。


だけどさ、これから治してきゃいいん
じゃね?


アタシも協力するから、さ。



「寮長は寮の最上階で過ごしてるんだ。この時間帯なら多分いるハズだけど…」

「? ならさっさと行くか」



表情が少し曇るきょうちゃんに疑問を持ちながらエレベーターに向かう。

なにをンなに迷ってんだ?
わかんねー。


アタシがさっさとエレベーターに向かうと、スローペースできょうちゃんも付いてきた。


エレベーター前で止まり、【↑】と記されているボタンを押す。

誰も使っていなかったからか、すぐにエレベーターがきた。
ラッキー。


エレベーターが開くと同時に中へ入り込む。うっは、やっぱ広ぇなー。



「このエレベーターって何人まで入れるんだ?きょうちゃん」

「確か30人は入れたと思うけど…」

「さんじゅうぅうッ?! ちょ待っ………どぇええぇえぇえッ?!」

「おまっ…落ち着け!」



いやだって、え、ちょま…30だぜ?!

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