痛々しくも生きている
普通のエレベーターより2、3倍も入んじゃねぇか!



「すっげ………。なんかここまでスゲェと笑えねぇんだけど…」

「そうか?俺的にはもうちっと広くてもいいんだけどなー」

「………。きょうちゃん」

「?」

「今度遊びに行っていいか?アンタん家(ち)」

「え?いいけど……」



ちょっとお前の凄さ(当たり前)を把握しておきたいんだわ、うん。

お前と同じ次元見なきゃアタシの心臓もたねぇから。


困惑するきょうちゃんを余所(よそ)に、最上階行きのボタンを押す。

エレベーターが閉まり、アタシときょうちゃんだけの密室ができた。



「……なぁ、きょうちゃん」

「ん」



最上階までの道のり、アタシは疑問に思っていたことをきょうちゃんにブツけた。



「アタシがここに入学するって知った友達がさ、入学するって聞いただけで、すこぶる驚いてたんだ。
……それって、例の【堕東寮】が危険だから、って意味なのか?」

「………いや、それもあるんだろうけどさ。他にも理由があるよ」

「他に?」

「そ、1つは『奇人変人ばかりが集う学園』だから。お前もこれから知ってくと思うよ。この学園の奇怪さをね」

「………。」



奇人変人。奇怪さ。


それは腹黒チビ会長にも言われた。

確かにこの学園に不思議だと思った点はいくつかある。

アタシらの探してる【カマ男】だって、十分に変だとは思う。


……てか、それ以上に変な奴いんのか。先が思いやられるな………。


そう思って溜め息をつくアタシに、きょうちゃんはもう1つの理由を教えてくれた。

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