痛々しくも生きている
「もう1つの理由。これはお前も経験すると思うぜ。なんせ、生徒会に入っちまったんだからな」

「は?生徒会と関係してんのかよ」



どういうことだ?

疑問符を浮かべるアタシにきょうちゃんは人差し指を立てて口を開く。



「生徒会のやつらもなかなかぶっ飛んでてな。オマケにこの学園の生徒はイベント好き。

だからイベントを利用して生徒会が立ち上げた危険なもん。それが【バトルトーナメント】だ」


「【バトルトーナメント】?へぇ、なんか面白そうだな」



元々アタシは不良児。

不良の血が騒ぐ…、ってな。


だけどきょうちゃんは、とんでもないとばかりに目を見開いた。



「お前、これがどんだけ危険なもんか分かってねぇからンなこと言えるんだよ。
いいか?愁。さっきも言ったように、この学園には奇人変人ばかりが集ってるんだ。

だからだろうな。
毎年その【バトルトーナメント】じゃあ重傷者が続出してる。
病院送りなんてアタリマエになってるほどだぜ」


「……へぇ、そうか」

「『そうか』って…あのなぁっ」

「きょうちゃん。それって誰でも参加できるんだよなぁ?」


アタシがそう聞くと、きょうちゃんはコクコクと頷いてアタシをさらに凝視した。


「まさか、お前………」

「そのまさか。なかなかイイ趣味してんじゃねーか、【星冠学園】。アタシ好みのイベントだな」



ニヤリと笑うアタシにきょうちゃんは呆れ顔。ははっ、なんかスマソーンっ。

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