痛々しくも生きている
「参加するぜ、その【バトルトーナメント】ってやつに。いいだろ?きょうちゃん」

「はぁ………まぁいいよ。それにこの【バトルトーナメント】も全部が全部危険なワケじゃないからな」

「はん?それってどーゆう意味…………………って、どうやら最上階に着いたみてぇだな。

きょうちゃん、この話はまた後でな」



ーチン

綺麗な音がエレベーター内に響き、それと同時に扉が開く。

エレベーターから出るとそこはアタシらの過ごしてる所より豪華だった。


赤いカーペットが敷かれ、天井にはシャンデリア。近くにはエレベーターを待つ時のためであろう、ふっかふかそうなソファーが置かれている。


まさに、

高 級 ホ テ ル



「すっげぇー……」

「やっぱ寮長さんってのは特別っぽいな。俺らのとことは比べものになんないし」



いやいやいや。

確かに寮長の過ごしてる階は豪華だけどっ、それでもアタシらの過ごしてるトコもかなり豪華だからっ。

ここって金持ち学園なのか?

……っとぉ、それより今は寮長を探さなきゃな。



「きょうちゃん、この階って寮長しか住んでねぇよな?」

「おお、特別生徒だからな。…あ、でも………」

「? 他にもいんのか?」



そう言って、アタシは顔だけ捻ってきょうちゃんの方を見る。

それがいけなかったのか。

はたまたバッドなタイミングだったのか。



「しゅ…愁っ、おまっ前見ろって!」

「はん?前…って……」



きょうちゃんに言われるがまま前を見る。その際、アタシの前にいた人にぶつかってしまった。



「んがっ?!……っとぉ、悪ぃ。ぶつかっちまっ…た………」



………。

< 38 / 52 >

この作品をシェア

pagetop