痛々しくも生きている
ちなみにアタシの名前は
【武藤 愁】(むとう しゅう)。

男っぽい名前とか言うな。
それ本人自身が一番痛感してっから。



「つーかお前マジで"あの"学園に通うのかよー」

「……悪いかよ」

「悪いとかンなんじゃなくて……。あの学園の噂知らねぇの?」

「噂?」



聞いたことねぇな。
うわ、てか時間やべぇんだけど。



「実はな、お前の通うことになった学園にはー「ちょ、ごめんっ。マジ遅刻するからッ!」…は? って、ちょ待てよーッ!」



マジ遅刻するって!

話始めようとした同中の奴等を通りこしてBダッシュ。

そんなアタシに待てと言うけど待つ気はナーイ。

だってあと5分しかねぇもん!



「ったく……。武藤ーッ、気をつけろよーッ!」

「聞こえてんのかな……」

「つーか俺らも遅刻すんぞ!」

「うわっ、やっべ!…武藤、大丈夫かなぁ……」

「ダーイジョブだって。だってあの武藤だぜ?なんとかなるだろ」

「……そうだな。うっし、学校までダッシュで行くかー!」



……そんなアイツらの声は届いておらず、結局何を心配されてたのか分からなかった。

って、あと3分!

< 4 / 52 >

この作品をシェア

pagetop