輝龍―崩壊篇―【完】
「いや、可愛いから…」
柄にもねぇセリフだが、すんなり出てくる…。
俺がこんな必死で言っても、結衣はやっぱり鈍感で。
「お世辞、ありがと。」
お世辞、と言うことであっさり流した。そんな結衣に、ついつい対抗心が湧いて、
「絶対惚れさせてやる…覚悟しとけ。」
気づいたら口から出ていた言葉。
あぁ、俺結衣が好きなのか…
漠然とそんなことを考えていると、
「何冗談言ってんの!
今は色々大変なんだから……」
完全に告白だと気づいていない結衣。
覚悟しとけよ。
「俺が好きだって言わせてやるよ。」
そう、結衣に聞こえないように呟いた。
―――海斗side end―