輝龍―崩壊篇―【完】
「抗争は3日後だ。念入りに準備しろ。」
そう言って、俺は立ち上がり、その部屋から出た。
――――――――
――――――
「おいっ…結衣!」
「どうした?海斗。」
こちらに向かって走って来たのは海斗だった。
焦った様子で、額に汗を滲ませていた。
「お前、蓮弥のこと…どうするんだよ。」
少し息を切らして、早口でまくし立てた。
蓮弥とは、華燐組若頭華山 蓮弥(カヤマ レンヤ)のことだ。
「それだよ…俺の言う"策"ってな。
安心しろ、一度手を組んだら裏切りはしねぇよ。」
「そう、か…てっきり…」
「蓮弥が組員に殺される…とでも?」
俺の言葉に、海斗は少しだけ顔を歪ませて、うなずいた。