輝龍―崩壊篇―【完】
ピッ
あたしは誰からかを確認せずに電話に出た。
―あっ、結衣?!やっと出た!
「悠杜。」
電話の相手は悠杜だった。
「どうしたの?そんなに慌てて。」
悠杜の声は明らかに焦っているようだったのだ。
―結衣…急いで倉庫に来て。今…黒蛇が来てる。
「えっ…?」
黒蛇…前に姫を拉致したあの…
華燐組の傘下だった族…
華燐組は潰れたから援助はないにしても…
危ない。銃を持っていないと言う保証もない。
「分かった。急ぐから…持ちこたえて。」
―うん。急いで…
時間、稼ぐっていっても…かなり厳しくて…持つかどうか分からないから…。
そんな悠杜の言葉を最後に、あたしは電話を切った。