輝龍―崩壊篇―【完】
バサバサバサッ…
「………またか。」
この光景も何度目だろう。
あたしの靴箱から出てきたのは画鋲の山だった。
よくこんなマメなことやったな、と地味に感心する。
「またアイツか。」
隣にいた慧があたしの靴箱を覗きながら言った。
「フフッ…それも今日までだよ。」
あたしは妖しく微笑んだ。
犯人は分かってる。
「あたしに仕掛けたのが運のツキだったね。」
あたしはこれから起こす相手への罰を想像して頬が緩んだ。