輝龍―崩壊篇―【完】





バサバサバサッ…





「………またか。」




この光景も何度目だろう。




あたしの靴箱から出てきたのは画鋲の山だった。



よくこんなマメなことやったな、と地味に感心する。





「またアイツか。」




隣にいた慧があたしの靴箱を覗きながら言った。




「フフッ…それも今日までだよ。」




あたしは妖しく微笑んだ。




犯人は分かってる。




「あたしに仕掛けたのが運のツキだったね。」




あたしはこれから起こす相手への罰を想像して頬が緩んだ。






< 21 / 149 >

この作品をシェア

pagetop