輝龍―崩壊篇―【完】
「帰るぞ、疲れただろ。
事情は後で聞くから。」
総長は言って、姫を抱き上げようとした。
よく持てるなぁ…と思ったのは秘密で…
あたしがのんきにそんなことを考えていると、
「触らないでっ!!」
姫の怒涛のような叫び声が響いた。
「え、り…?」
総長が慌てている。
「あたしは話すことなんてないのよっ!!」
姫はさっきの出来事を話したくはないだろう。
あたしの脅しもあるし、"姫"の立場を失いたくないんだろうし。
姫は、そのまま屋上を飛び出して行った…