愛して
side 博人
今日も、変わらない。
まるで、昨日の出来事などなかったかのように、また、様々な方法で転校生を苛め始める苛めっ子達。
何が愉しいんだか。
『可哀想』
『彼奴らと、おんなじ』
頭に残っている言葉。
…戯言だ。彼奴がただ、言っただけじゃないか。俺は、関係ない。
俺は、何も悪くない、何も…何も___…
「きゃははっ!!かっわいそー。ほら、その汚い身体、モップで綺麗にしてあげる」
「…っ」
「おい、転校生」
俺が転校生の傍に行き、声を掛けると、周りがざわつく。
苛めっ子たちはにやにやとしながら此方を見ている。俺がどんな風に苛めるか、見物なんだろう。
_が、俺は、転校生に手を差し出した。
「っ、ひ、博人くん!?」
吃驚した声で苛めっ子達が此方を見る。俺はその目を無視して続ける。
「俺は…っ、俺は、こんな奴等とは違うからな!!舐めんな!!転校生」
転校生_泪もずっと吃驚とした顔で俺を見ていたが、少しすると、ふっと笑って、俺の手を取る。
「僕は、転校生じゃないよ。泪、片貝泪」