愛して
side 博人。
「あ!」
思い出した。
そういえば、その日は、クラスの女の子と買い物の約束があったんだった。
何だか委員会の仕事に必要なものを揃えるとか何とかで…。
嗚呼、申し訳ないことしちゃったなあ、泪にどう断ろう。
凄い楽しみにしていたみたいだし、でも、その子の方が約束的に先何だよなあ。
しかも、俺の委員会のことだから、全く関係ないことじゃないし。
考えて、とりあえず、連絡してみることにした。
ワンコール、ツーコール……。
「もしもし?博人?どうしたの、急に」
聞こえてきた明るい声。
嗚呼、何だか余計言いづらくなって来たぞ。
でも、これはもうしょうがないことだからな、どうにか納得して貰うしかない。
そう思って、意を決して話し始める。
「あのさ、実は__」
「……そっ、か。うん、そっかあ。」
電話越しからでもわかる相手のテンションの下がり具合。
ごめん、本当に。何度も謝った。
「……いいよ。しょうがないもんね!遊ぶことならいつでも出来るし!きにしないで」
嗚呼、気い遣わせてるなあ。
俺はそのあとも何度か謝った後、電話を切った。
相手が強い憎しみにかられているのも知らずに__。