愛して


何で…、何で何で何で!
僕との約束より、クラスの女の子との約束の方が大事なの!?
頭の中が不安と憎しみで募っていく。また、棄てられるんじゃないか、あのときみたいに。
考えるだけで頭が痛くなって。
誰だ、一体。
僕の博人を、奪った女は。博人のことを全然知らない女が。
僕と博人を引き剥がそうと思っているに違いない。
僕はこんなにも博人のことを愛してるのに。
博人には僕だけいればいいのに。
博人が、ご飯が作れないなら、作ってあげる、博人が欲しいものなら、何だって買ってあげる、博人が憎い人がいるなら、僕が殺してあげる。
博人の為なら何だって出来るのに。
むしゃくしゃして、傍にあった鋏を持ち、枕に突き刺す。
誰だ、誰だ、誰だ。
舞い飛ぶ羽毛。枕はもう使い物にならない。捨てよう。
そう思った矢先、自分の持っている鋏を見て、考えた。
そうだ、そうか。
なんだ、簡単なことだった。


「…あは、…あははっ、そうか、そっか、…簡単なことだ」


狂ったように笑う。
そうだ、邪魔なら、




消せばいい
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