愛して


「ねーね、そういえばさあ。あの女の子いたじゃん?」


「女の子?」


「あれだよあれ、ほら、委員会の買い物を男子と行く約束してて、その日に行方不明になった子!」


「嗚呼、そんな子いたねえ。で、それがどうしたの?」


「それがさあ!遺体が見つかったらしくて!」


「え、マジ!?何処何処!」


「それがさ、ある男の家のガラスケースに入ってたんだって!で、その子は勿論死んでるし、殺したのも、男の人らしくってさあ!」


「え、やだそれ、きもーい」


「凶器はナイフだってさ。その子が可愛すぎて可愛すぎて殺したんだって」


「うわあ……っていうか、その子と一緒に買い物しようとした男子って誰だったんだっけ?」


「嗚呼、それは確か____ねえ、泪くん、今日博人くんは?」


「__あー、ごめんね。博人今日、風邪拗らせちゃったみたいで」


「そっかあ、残念。博人くんにこの話してあげようと思ってたんだけどなあ…………。……でね____」



同窓会。
皆来るらしいから僕も出なくちゃかなあと思って来てみたけど。やっぱり詰まんないなあ。
でも、良いこと聞けたなあ。あの子のこと、博人はすっごく気にしてたから、いっておいてあげないと。

……でも、今の博人にはどうでもいいのかなあ。
馬鹿だな、博人ってば。俺が凶器に博人のタオルなんて使う訳ないでしょ。


クスクス、クスクスクス。



だあいすきだよ、博人。




これからもずーっと、イッショダヨ?



fin.
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