愛して
誰?僕の計画を邪魔するのは。
わざわざ、博人をフッた女の次の移住場所を調べて、此処まで来て、
この女に僕直々にお仕置きしてやろうと思ってたのに。
博人の痛みを、思い知らせてやろうと思ったのに。
やっとの事暴れるこの女を追い詰めて、少しばかり痛いことをしてやろうとしたのに。
ドアからから入る光に目を向ける。
其処に立っていたのは…。
「る、い…?」
博人だった。嗚呼、会いたかった。
女をほったらかして、僕は博人の元へ向かった。
「博人!!嗚呼、博人、どうしたの?こんなとこに来て」
そういって、博人に触れようと手を伸ばす。
…が、その手が、博人によって、振り払われる。
そのまま、博人は、靴を脱ぐこともなく、女の元へ行く。
「え…」
「唯!大丈夫!?」
唖然とする僕を置き去りに、唯と言う女に話しかける博人。
僕は、まだ、状況が理解できなくて。
博人が、僕を拒絶した…?
「…っ、アレ、アナタの友達?」
起き上がった女は不機嫌そうに博人に問う。博人は何も言わない。
女はカッとしたように博人の頬を平手で殴る。
「ほんと、やめてよね。別れてからも、私に迷惑かけないでよ!」
はあ、と溜息を吐くと女は立ち上がり、玄関まで行き、ピンクのパンプスを履くと、此方を睨んで去って行った。
「ひろ…」
「お前の所為だ。お前が、お前が唯にっ!最低だ!」
博人は、それだけ叫ぶと「もう関わらないでくれ」と言い、其処から出ていく。
…嘘、嘘だ。全部、博人の為にやったのに…。博人を思って、やったのに…。
博人を…博人を____。