ハクモクレンの花
「こんにちわ」


もう一度ハクモクレンは健太郎君に話しかけました。

針金のような枝を一杯に開いて。


確かに中庭の方から声が聞こえてきます。


健太郎君はハクモクレンをじっと見ました。


根元から枝の先の方まで。

穴が開くほどに。

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