ハクモクレンの花
「それは嬉しいね。

ハクモクレンは地味な存在なんだ。

ただ、それだけの事だよ。

北米にもそれほど多くはない。

日本的な花なんだ。

花を咲かせるのは、わずかな間だけだ。

あとは、葉が生い茂っているか、落葉して幹と枝になっているかのどちらかだ。

気に病むことは無い。

それに我々植物と君たち人間とではそもそも時間の考え方が違う。

我々は止まっている。

君たちは常に移動している。

時間の観念や流れや価値が違うんだ。

君との出会いは昨日の事のようだ」

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