ハクモクレンの花
「僕の中の悪いものを吸い取ってくれるんだね」

「そう。

吸い取って良いものに変える。

でも、このままじゃだめだ。

僕と健太郎君の間には大きな隔たりがある」


「このガラスの囲いの事だね。

誰がこんなものを作ったんだろう?」


「愚かな人間たちさ。

でも、コンクリートの壁にしなかっただけでも利口だけど」


「そうだね」


「そうだよ」

二人は笑いました。


そして二人の間に暖かいものが流れているのを感じました。

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