ハクモクレンの花
看護士さん達は僕がここに居ることを知らないのです。

何かの手違いで。


血が逆流するのを感じました。


健太郎君は大声を上げて助けを呼びました。

こんなに大きな声を出したのは初めてでした。

だけど、それは何処にも届きませんでした。


バチバチという燃える音とサイレンの音にかき消されてしまったのです。

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