ハクモクレンの花
冬が居座り続けていました。


健太郎君はかじかむ手で閉鎖された門をこじ開け、工事用のシートで囲われた高い塀の中に入りました。


そしてアスファルトで敷き詰められた広場を見渡しました。


この場所は一ヶ月前までは駐車場でした。

車を区画する白線はかすれ、車止めのブロックは墓石みたいに整然と並んでいたけど、
ところどころ欠けていたりゆがんだりしていました。

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