ハクモクレンの花
「ここは砂漠よ。

砂漠の真ん中。

閉ざされた世界なの。

夜が明けるまで誰も助けになんて来やしないわ。

夜は不吉なのよ。

ここの住人たちは夜を恐れているの。

でも奇麗よ。

月明かりの夜は」


フランチェスカは僕の手を引いてテントの外に連れ出した。

いつのまにか砂嵐は収まり、月明かりが砂漠を照らしていた。

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