副社長は溺愛御曹司
少しおさまったように思えていた、ヤマトさんの怒りが、再び爆発した。
思わず身をすくめると、勢いよく両肩をつかまれて、のぞきこまれる。
「そういうつもりだった?」
「わた、私は、違います」
間近に見る、ヤマトさんの気迫に押されて、ぶるぶると首を振る。
だって、私は、好きだって言ったじゃない。
次があるとも思ってなかったし、ミーハーな思いも少しはあったけど、断じていい加減な気持ちじゃ、なかった。
そんなの、当たり前でしょ。
じゃあ、とヤマトさんが言いかけた時。
ふいにすぐ近くで、声がした。
はっとそちらを向くと、社屋の裏口から、人が出てくる。
とっさに私とヤマトさんは顔を見あわせて、口をつぐんだ。
身動きをとらない限り、暗いから、こちらの存在には気づかないだろう。
息を殺すようにして、人影を見つめる。
ふたり連れだ。
こちらに来たら、どうしよう。
けれどその人影は、裏口からすぐの場所で、足をとめて、動かなくなった。
あれ…?
なんだか、ちょっと、雰囲気が、と思っていると、ヤマトさんが、おい…とつかんだままの私の肩を、軽く揺すった。
見あげると、私と同様、かなりうろたえている様子の顔と目が合う。
そうだよね、あそこで、どう見ても抱きあって、キスをしてるの。
延大さんと、久良子さんだ。
思わず身をすくめると、勢いよく両肩をつかまれて、のぞきこまれる。
「そういうつもりだった?」
「わた、私は、違います」
間近に見る、ヤマトさんの気迫に押されて、ぶるぶると首を振る。
だって、私は、好きだって言ったじゃない。
次があるとも思ってなかったし、ミーハーな思いも少しはあったけど、断じていい加減な気持ちじゃ、なかった。
そんなの、当たり前でしょ。
じゃあ、とヤマトさんが言いかけた時。
ふいにすぐ近くで、声がした。
はっとそちらを向くと、社屋の裏口から、人が出てくる。
とっさに私とヤマトさんは顔を見あわせて、口をつぐんだ。
身動きをとらない限り、暗いから、こちらの存在には気づかないだろう。
息を殺すようにして、人影を見つめる。
ふたり連れだ。
こちらに来たら、どうしよう。
けれどその人影は、裏口からすぐの場所で、足をとめて、動かなくなった。
あれ…?
なんだか、ちょっと、雰囲気が、と思っていると、ヤマトさんが、おい…とつかんだままの私の肩を、軽く揺すった。
見あげると、私と同様、かなりうろたえている様子の顔と目が合う。
そうだよね、あそこで、どう見ても抱きあって、キスをしてるの。
延大さんと、久良子さんだ。