Breathless Kiss〜ブレスレス・キス


雨の土曜日。

付き合い始めて、ひと月も経っていなかった。


ーー今日は本当、お願い……
なるべく痛くないようにするから。
奈緒子可愛いから、俺、我慢出来ない…


キスのあと、恵也は切ない目をしてねだった。

一度、拒否して今日が二度めだった。



ーーうん…


奈緒子は俯き加減に頷いた。


すごく怖かった。
でも、恵也の願いをこれ以上、拒む事は出来ない気がした。

自分の身体を差し出すことで、喜んでもらえるなら、そうしよう、と思った。



ーー奈緒子の顔、見ながらしたい。


そう言って恵也は部屋の電気を消してくれなかった。

明るい照明の下、奈緒子の背中に手を回し、白いブラジャーのホックを外す。


円錐形の白い乳房が無防備にこぼれ出た時、奈緒子はあまりの恥ずかしさに眩暈を感じた。



ーー普段は見えない部分の肌と肌が触れ合うのって、気持ちいいよね…


ベッドに横臥し、枕に肘をついて裸の恵也はそう言って笑った。


ーーうん、そうだね…


これから始まる試練が実感出来ず、奈緒子も少し笑ってみせた。


男を受け入れるには、股関節がどうにかなりそうなくらい、思い切り脚を広げなければならないことに奈緒子は衝撃を受ける。

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