Breathless Kiss〜ブレスレス・キス


簡易のピアッシング器で恵也に左耳にだけ開けてもらった。

チクリとしただけだった。

あんなに怖がった自分が馬鹿みたいだと思った。



耳元でキラキラ光るニセダイヤモンド。

15歳になった奈緒子へ
恵也からのプレゼント。

奈緒子の涙の粒みたいだね、と言って。


彼も左耳に同じものをつけている。

恋人同士の証。


「恵也、ピアス開けるの
上手いんじゃねえ?」

嬉しくて奈緒子がはしゃいでいうと、

「セックスも上手いって言えよ」

恵也はふざけた。



恵也は奈緒子に知らないことをたくさん教えてくれた。

男女の行為に、運動神経は関係ないこともそう。


「セックスはギブアンドテイクだよ」

恵也は奈緒子の手を取り、言った。



男女の関係になって、身体に違和感があったのは最初の一ヶ月間位までで、後はひたすら気持ち良くなった。


一旦始まると恵也の前戯はとても長く、奈緒子は何度も果てるようになる。



仲間たちの集まる小さな『クラブ』に連れて行ってくれたのも恵也だった。


初めて行ったのは、12月の土曜日の夜。

地下にあるクラブの入り口には、小さなクリスマスツリーが置いてあった。


初めての彼氏である恵也と一緒に過ごすクリスマスに奈緒子は浮かれた。


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