Breathless Kiss〜ブレスレス・キス
奈緒子も尻がギリギリ隠れるくらい、スカートを短くしていた。
剥き出しの太腿に、
ルーズソックスを履く。
制服のシャツのボタンは三つも外し、
きわどい胸元を晒した。
そういうのを「ドキドキするう」と言って恵也は喜び、奈緒子のシャツの胸を覗き込んで、ふざけた。
そんなことをしながら二人でショッピングセンターをブラブラしていると、周りの人々がいけないものを見たようにサッと目を背けた。
ヤンキーは上下関係が厳しい。
それでも、恵也は持ち前の捉えどころのなさを発揮して、わりとフワフワしていた。
でも、やらなきゃいけない時もある。
そこはやっぱりヤンキーらしく根性を見せなければならなかった。
ボコられた仲間の為の仕返し。
…のつもりが返り討ちにあい、自分が殴られ、片目の周りが腫れ上がった。
「恵也あ…大丈夫?
なんかボクサーみたい」
休み時間ごとに2Aの教室に入り浸り、恵也の窓際の席で奈緒子はずっと彼に寄り添う。
甲斐甲斐しく冷えピタを顔面に
充ててやった。
「…ちょっとかっこいいだろ?」
恵也ははにかんだように笑う。
「馬鹿…やり過ぎぃ…」
人目も気にせず、恵也の肩に頬を寄せた。
恵也が怪我をするのは本当に嫌だった。