花送り―宗久シリーズ番外―
3
雨が続くと、気持ちが沈む。
ううん…去年までは私、雨は嫌いじゃなかった。
大地を浄化してくれる雨が、嫌いじゃなかった。
気持ちが沈んでいるのは、雨のせいじゃないんだ。
分かってる。
自分でも分かってるよ。
だってあれから私は、先生の顔を見れないから。
大好きな先生の笑顔が、胸をちくりと刺すから。
目が合っても、反らす。
だって、私だけの特別じゃないと分かってしまったんだもん。
それでも先生は、私を見つめて笑うんだ。
全てを理解してくれている様な瞳で、笑いかけてくるんだ。
先生………。
先生の優しさは、時々残酷に感じてしまうよ。
優しすぎて……泣きたくなる。
こんな気持ちの時は、校庭の中庭に行く。
私の好きな花が、梅雨にだけ咲いてくれるんだ。
紫陽花。
私は、紫陽花が好き。
雨に濡れても、気高く強く在る、美しい紫陽花が好きだ。
.
ううん…去年までは私、雨は嫌いじゃなかった。
大地を浄化してくれる雨が、嫌いじゃなかった。
気持ちが沈んでいるのは、雨のせいじゃないんだ。
分かってる。
自分でも分かってるよ。
だってあれから私は、先生の顔を見れないから。
大好きな先生の笑顔が、胸をちくりと刺すから。
目が合っても、反らす。
だって、私だけの特別じゃないと分かってしまったんだもん。
それでも先生は、私を見つめて笑うんだ。
全てを理解してくれている様な瞳で、笑いかけてくるんだ。
先生………。
先生の優しさは、時々残酷に感じてしまうよ。
優しすぎて……泣きたくなる。
こんな気持ちの時は、校庭の中庭に行く。
私の好きな花が、梅雨にだけ咲いてくれるんだ。
紫陽花。
私は、紫陽花が好き。
雨に濡れても、気高く強く在る、美しい紫陽花が好きだ。
.