花送り―宗久シリーズ番外―
先生の笑顔……。







クラスメイトの話題を小耳に、私は一人勝ち誇って笑う。










先生は、私に笑いかけてくれたんだから。






そんな風に騒ぐあなた達じゃなくて、隅に居た私を見つけて、笑ってくれたんだから。





よろしくって、私にだけ笑いかけてくれたんだよ。











教室の片隅、誰にも声を掛けてもらえない私を見つけてくれた先生。






新庄宗久先生。









私は、一目で好きになった。






これが恋……なんだ。









先生の姿を見ると、心の在りかがわかる。



キュンとするから、わかるんだ。









心なんて、無いと思ってた。


必要無いって。









今は違う。



心があって、良かった。






先生を好きになれたから。








男の人に惹かれるなんて、今まで一度も無かった。



男の人に限らず、周りの人は私を悲しませる為にいるのだと、そう感じていたから。





誰も信用できないよ。






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