花送り―宗久シリーズ番外―
しばらく唸っていた先生は、やがて肩をすくめて微笑した。






「まぁ…嫌いではないかな」






途端、どよめきが空気を揺らす。





「問題発言だよ、新庄先生」

「聞かれたから答えただけなのに…」

「女子高を選んだ理由はソレ?!」

「いや、家から近いからだけど」

「でも女子高生アリなんだ?やったね!」

「何が、やったねなんだ?」







周りから沸き上がる甲高い声は、私の心中を代弁してくれているかの様に響き渡る。








……ホント?先生。


嫌いじゃないの?



なら私にも、望みがあるって意味だよね?







何か、泣きそうになるよ。









唇を噛み締め、顔を上げた。







あ…………。









先生と、目が合った……。








その瞳が、やんわりと笑みで埋め尽くされていく。








また…………笑ってくれた。




私を見て、笑いかけてくれた。










先生……先生……。







ダメ。






切なくて、嬉しくて、泣きそう………。






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