龍牙
美『ヒック…ヒック 』

?『 おい、大丈夫か?? 』

低い男の声に頭より身体が先に反応する。
自分の意志とは関係なく、身体がカタカタと震えはじめる。

すると、一人の男があたしの前にしゃがみ込んだ。『はぁー 。』と小さくため息を漏らした男が覗き込んできた。

涙を浮かべたまま彼と目を合わせた。

けど、男はあたしと目が合った瞬間 目を大きく見開いて固まった。

反応が気になったものの、今は男の存在が怖いという気持ちでいっぱいだった。

嫌だ…

すると震える肩にジャケットをかけられた。

美『 嫌だ…ヒック 触らないでよ… 』

男が触るのも…

声を聞くのも…

いるのも嫌だ…

どっか行ってよ…

?『 もう大丈夫ですよ。何もないですから。』

美『 嫌…ヒックだよ… やめて…………… 』

?『!!!!!! 』

あたしは意識が途切れてしまった…
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