龍牙
変な汗が背中を流れ落ちる。
とうやが…今あたしの目の前にいる…
あたしは咄嗟に目線を下に下げた。
早く…逃げなきゃ…!!
あたしは黎の手を強く握った。
あたしの異変に気付いたのか黎が振り返って
『チビ?大丈夫か?』 そう言ってあたしの顔を覗き込んだ。
『お前っ!顔が真っ青だぞ?大丈夫か?!ちび』
誰かに顔を掴まれて…
『熱あんのか?』と言われた。
まさかと思って顔を上げると…
おでこに手を当てているのはとうやだ…