龍牙
『……っっ! は、離してください…』


この人は違うのに震えてくる…
あたしが震えてるのに気づいたのか手を後ろに下げて
『誰か冷えピタ用意しろー!』と下に向けて言った。

でも元に手を戻そうとしたのが昔の嫌な記憶と重なって見えた。
忘れる事の出来ない嫌な記憶と…

あたしに手を伸ばしてくる…

『はは、美紅が悪いんだからな…』

『…っ、とう…や…』
もうやめて…
視界が少し眩む…

『おいで。美紅…』

とうやがあたしを押し倒す。
怖いくらいの笑顔で…
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