Blue Note ― ブルーノート
賢者の石とは、服用すれば人間に不老不死を与えるという一種の霊薬だ。
また、万能薬としても長けているとされ、どんな病をも治すと言われている。
だが、 ただの伝説に過ぎない。賢者の石の開発に成功した例は過去になく、その正体は謎に包まれたままだ。
しかし、奴らはこのノートを使い賢者の石を創り出す気でいる。
この悪魔の兵器を使って。
音が聞こえた。
風と、雨が扉を打ち付ける音だ。
出口は近い。
荒い息をしながら、ゼロの口から笑みが零れる。
やっと、やっと奴らから開放される。こんな生き地獄とはもう、おさらばだ。
後ろをみると、イチも安堵の笑みを浮かべている。
最後の段を駆け降り、扉の横にあるレバーを倒すと、巨大な鉄扉がサビた音を立てながらゆっくりと開いていく。
2人が入るのに扉が十分に開いたその時、けたたましいサイレンの音が鳴り響く。
ゼロは小さく舌打ちをすると、上向を睨む。
「奴ら、気付きやがったか」
「ゼロ、急いで……っ」
イチが言葉を詰まらせ、床に倒れる。体をくの字に曲げ、激しく咳込む。
慌てて駆け寄り、上半身を起こしてイチの左胸に耳を当てる。
「……くそっ」
不規則な心音、イチの顔はみるみる青ざめていく。
恐らく、心臓に埋め込まれたicチップが作動されたに違いない。
チップが作動された今、イチの心臓は奴らの手にあるも同然の状態だ。
「ゼロ……先に……行って」
消え入りそうな声で、イチが囁く。
「何言ってんだよ、出口は目の前だろうが」
「君の……重荷になりたくない……急いで……まだ動けるうちに……」
小さく笑うイチの口元から、すーっと血の筋が通る。
激しく咳込み、今度は信じられない量の血が溢れる。
ゼロは自分の左胸に手を当てた。ゼロの心臓にも、同様にチップが埋め込まれてる。
いつ奴らに作動されるか、わかったものではない。
また、万能薬としても長けているとされ、どんな病をも治すと言われている。
だが、 ただの伝説に過ぎない。賢者の石の開発に成功した例は過去になく、その正体は謎に包まれたままだ。
しかし、奴らはこのノートを使い賢者の石を創り出す気でいる。
この悪魔の兵器を使って。
音が聞こえた。
風と、雨が扉を打ち付ける音だ。
出口は近い。
荒い息をしながら、ゼロの口から笑みが零れる。
やっと、やっと奴らから開放される。こんな生き地獄とはもう、おさらばだ。
後ろをみると、イチも安堵の笑みを浮かべている。
最後の段を駆け降り、扉の横にあるレバーを倒すと、巨大な鉄扉がサビた音を立てながらゆっくりと開いていく。
2人が入るのに扉が十分に開いたその時、けたたましいサイレンの音が鳴り響く。
ゼロは小さく舌打ちをすると、上向を睨む。
「奴ら、気付きやがったか」
「ゼロ、急いで……っ」
イチが言葉を詰まらせ、床に倒れる。体をくの字に曲げ、激しく咳込む。
慌てて駆け寄り、上半身を起こしてイチの左胸に耳を当てる。
「……くそっ」
不規則な心音、イチの顔はみるみる青ざめていく。
恐らく、心臓に埋め込まれたicチップが作動されたに違いない。
チップが作動された今、イチの心臓は奴らの手にあるも同然の状態だ。
「ゼロ……先に……行って」
消え入りそうな声で、イチが囁く。
「何言ってんだよ、出口は目の前だろうが」
「君の……重荷になりたくない……急いで……まだ動けるうちに……」
小さく笑うイチの口元から、すーっと血の筋が通る。
激しく咳込み、今度は信じられない量の血が溢れる。
ゼロは自分の左胸に手を当てた。ゼロの心臓にも、同様にチップが埋め込まれてる。
いつ奴らに作動されるか、わかったものではない。